ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ

あちら側はあらゆることが統制されている
多くの人に“真実”が伝われば“正しい”方向へ変わる
のような話を聞くことがありますが
では
こちら側が
多くの人に“正しい”方向を向かせるために
何をやるのかというと
この作品に描かれているようなことをするわけです
作品の舞台は数十年前のこちら側です
現在ではもう違うなどということであれば
この作品は一種のアーカイブでしかなく
鑑賞して感じることはあまりないはずです

そのような感想を持ってしまうように
作品の題名はやや挑発的な感じになっていますが
この作品は結局
一人の人間といわゆる“麻薬”の関係を追ったものです
一人の人間は弱く
それは恐らくあちらでもこちらでも同じ

そもそも
こんな思考や議論を
超越してしまう“正しい”存在があることも
この作品から見えてきます
それを見つけている人がより多くいることを願って
この作品を観るという選択肢を求めない人には
必要のない願いかもしれません。。

『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』(131分/アメリカ/2021年)
監督:リー・ダニエルズ
出演:アンドラ・デイ、トレバンテ・ローズ 他

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