誰の小説の話だったか
大きな事故で友人を失った主人公が献花台を訪れる
自身の隣で涙を流す男性を見て気づく
私は大切な人を失ったかわいそうな自分に対して涙を流していたが
あの男性はこの世界から去ってしまったその人を想って泣いている
『世界の中心で、愛をさけぶ』
公開当時は社会現象ともいえる話題を生んだ作品
“難病もの”とかいわれる以降の
ラブ・ストーリーの定型を生んだ作品でもあり
店主としては
このお話の何がいいのかがよくわからず
それを誰かに言おうものなら
お前は冷たい人間だね
と言われ、、
喪失と再生の物語
それは時に
喪失して再生する側の人間の主観の話でしかなく
消えてしまった側の想いが正しくはわからないことがあります
現実社会での人間関係も
そのようなカタチで成立しているといえますので
何の問題もないとも思いますが
創作であるなら
消えてしまった側の想いを深く描くのもいいのではないか
もしくは
再生までを描く必要はなく
喪失した事実からその先は他者に委ねてもいいのではないか
と思ったりします
そして他者は
その涙は何に対して流しているのか
実はその違いが大事だったりするのでは
そんなことを
世界の中心で、ぼやきます。。
『世界の中心で、愛をさけぶ』(138分/日本/2004年)
監督:行定勲
出演:大沢たかお、柴咲コウ 他
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