志乃ちゃんは自分の名前が言えない

物語の最初から最後まで
つどつど涙腺が刺激されるのは
良作ということ以上に
店主自身が歳を取ったから
と思ってしまっております

言葉をうまく紡ぐことができなくても
歌うことや演奏することが多少下手でも
それを超越してしまい
自身の何かを誰かに伝える手段としての
音楽というものは最強だな
と思ってしまっております

その一方で最近の
ミュージシャンやアーティスト
そう呼ばれる人たちは
しゃべりすぎ
最強の手段を、しかも上手に、
使える術を持っているのだから
そこで全てを語れよ
と思ってしまっております

これは映画に関しても同じで
映画という伝える手段を持っているのに
制作した人が語りすぎ
その作品で全て語ってください
と思ってしまっております

この作品のように
長編作品を撮るのが初めての監督さんで
(当時)そこまで有名でない役者さんで
しっかりと何かが伝わる作品が出来上がるのだから。。


『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(110分/日本/2017年)
監督:湯浅弘章
出演:南沙良、蒔田彩珠 他

(C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会