太平洋戦争末期に“疎開保育園”によって空襲から子ども達の命を守った保母さんたちのお話。
実話が基になっています。
命を守ることが一番の目的であった“疎開保育園”ですが、戦時下に都市部での生活が色々と制限される中、「子どもの感性を文化的な活動とそれが行える環境で育む」ことを行うために疎開する、という目的も少しだけ言葉で表されています。
店主、「文化って何?」と問われると、まぁ…わからないのですがw、
都市部はもちろん地方と呼ばれる場所でも、何をするでもなく一律に文化と名の付く施設の利用が制限されたりするあたり、
そして一時的にしてもあっさり自ら文化的活動と呼んでいたものを制限して手放す人がいるあたり、
今現在はあの戦時下より、ある意味酷いのかもしれません。
今はウイルスとの戦いによる戦時下の状況、というような論調を見かけますが、それは明らかに違うと思います。
ウイルスは自らの利害関係から判断したその意図と意思もって、人を殺そうとはしていません。そこで生まれる恐怖や憎しみは勝手な一方通行でしかありません。
この状況だからこその判断と行動のあらわれ方の違いが、個人であったり、地域であったり、国であったり、それぞれの文化度と呼ばれるによるものではないかな、などと偉そうにそんなことを感じます。
ところで、初めてこの作品を鑑賞したのは、松山市で開催された上映会でした。
本来、このような作品をしっかり上映することも映画館の役割だと思います。
どの映画館(映画業界)も苦しい状況のようですが、どの映画館も同じではありません。大ヒットしたアニメーション作品でほんの少し助かったのは商業施設だけだと思っています。単なる商業施設なら時代の流れで当然そのうち無くなります。無くしてはいけない映画館と、映画の制作環境があります。
まぁ…所詮、映画は娯楽なんですけどね。
『あの日のオルガン』(119分/日本/2019年)
監督:平松恵美子
出演:戸田恵梨香、大原櫻子 他
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