「小さな地方都市でのお話っぽいね」と、店主の最初の感想。
でもよく考えてみたら“台北”ですからね
日本が舞台なら 東京カフェ・ストーリー
人口規模でも 札幌カフェ・ストーリー
関西イメージで 神戸カフェ・ストーリー
作品が纏う雰囲気と登場する人々の関係性は、日本の小さな地方都市のそれとはちょっと違います。
小粒な感じの作品ですが示唆に富んでいて、良作だと思います。
映画好きの方なら
主演のグイ・ルンメイ(桂綸鎂)と
製作のホウ・シャオシェン(侯孝賢)
の名前を聞くと惹かれる作品かと思います。
ホウ・シャオシェンは初期の作品が有名ですが、
店主個人的には最近の作品『黒衣の刺客』(2015年)が好きなんですよね。
しかしこの作品以降の新作がありません。観たいところです。
そのホウ・シャオシェン
小津安二郎を敬愛し、『東京物語』(1953年)のオマージュという形で日本を舞台にした『珈琲時光』(2004年)という作品を撮っていたりします。
話を『台北カフェ・ストーリー』に戻すと
もしかすると今の時代に若き小津安二郎が映画を撮ったならこんな作品になるかも
と、偉そうに考察したりします。
おそらく今の日本では作れそうで作れない作品。
それは映画制作に係るシステムやお金の点ではなく、制作者の感性の点でそう感じます。
この『台北カフェ・ストーリー』も10年前の作品となりました。
今の台湾では再びこのような作品は撮れるのでしょうか。
『台北カフェ・ストーリー』(81分/台湾/2010年)
監督:シアオ・ヤーチュアン
出演:グイ・ルンメイ、リン・チェンシー 他
(c)Brick Image Team
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