とてもうれしくないことのせいで
ボブ・ディランをコインロッカーの中から出しました
ボブ・ディランというと
どうしてもこの作品を思い出してしまいます
映画も小説も
伏線を緻密に回収しながら物語が展開しますので
少しでもふれるとネタバレになるのですが
絶望ともいえる悲しみの中にいた“彼”が
“隣人”の口ずさむボブ・ディランを聞いた時に見出した
希望というものはどれほどのものであっただろうか
映画では特に“彼”の表情が見えるせいで
それを想像すると激しく心が揺さぶられます
何もできない
などということもなければ
対岸の火事ではない
のような話にする必要などなくて
ただ
悲しみを与えることなく、
目を背けることなく、
それが
誰かの希望になるかもしれない
どうせ答えは風の中で吹かれているのだし
今回のとてもうれしくないことに関しては
ボブ・ディランをコインロッカーの中に入れる必要はないと思っています。
『アヒルと鴨のコインロッカー』(110分/日本/2006年)
監督:中村義洋
出演:濱田岳、瑛太 他
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