ブラック・ブレッド

内戦後のスペイン・カタルーニャの山村
少年は馬車の事故を目撃し
馬車の乗員は「ピトルリウア」という最期の言葉を残す、、

事故が実は殺人事件であり
「ピトルリウア」という言葉の謎を解いていく
そんなサスペンス・ミステリー作品
というような感じで
公開当時には宣伝されていたような記憶があります
謎解きイベント的な集客もされていたような記憶もあります

ですがこの作品
サスペンスでもミステリーでもない!
(言い切りますw)
少年が大人になる瞬間を切り取った
それはよくある輝いた青春映画のようなものではなく
ドロドロした人間関係と社会構造を背景に
ハッピーな感覚は微塵もない人間成長劇

しかし前回に続き
この作品のジメッとした感覚は何でしょう?
店主はまた
横溝正史の作品に漂う感覚を思いだします
ジメッとした感覚は
横溝正史の戦後作品に多くある感覚ですし
それだけスペインという国に
内戦という戦争が落とした影は
深く濃く暗いのかもしれない
などと思うのです

いやそれとももしかして
スペイン映画って
基本的にジメッとしているのか?
明らかなコメディ
『どつかれてアンダルシア (仮)』
も結構ブラックで、、だし
軽快なアクション
『スパルタンX』
は香港映画か、、
うむ、、。。

『ブラック・ブレッド』(113分/スペイン・フランス/2010年)
監督:アグスティ・ビリャロンガ
出演:フラセスク・クルメ、ノラ・ナバス 他

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