以前『シン・レッド・ライン』で
テレンス・マリックの作品は
抽象的、概念的、etc.
で身体的に訴えかけるものではないので
戦争を題材にしてはいけないのでは
とぼやきましたが
そんなテレンス・マリックが
第2次世界大戦下のオーストリアを舞台に
やや間接的に戦争を描く
実話を基とした作品
近年のテレンス・マリックの作風からすると
とてもわかりやすい(ような気がする)作品
それは恐らく
ラストで語られる
ジョージ・エリオットの詩が
この作品で訴えたいこと
そのすべてだと思われるから
歴史に残らないような行為が
世の中の善をつくっていく
名もなき生涯を送り
今は訪れる人もない墓にて眠る人々のおかげで
物事はさほど悪くはならないのだ
現在進行中の戦争のことはもちろんですが
セルフブランディング
とかいう言葉もあり
誰もがあらゆる手段を駆使し
誰かに自分を知ってもらおうとする
そんな世の中で
自身の抱える正義の“正しい”遂行のやり方
(変な日本語ですが)
を再考したい
そして自身が
見たり聞いたり触れたりできない
そのようなところで起こっている善きことに
感謝したいとも。。
『名もなき生涯』(175分/アメリカ・ドイツ/2019年)
監督:テレンス・マリック
出演:アウグスト・ディール、バレリー・パフナー 他
(C)2019 Twentieth Century Fox
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