17歳の瞳に映る世界

“行って帰ってくる”という構図の物語は全て
「オズの魔法使い」のオマージュです
とおっしゃっていた評論家の方がいらっしゃいました
その点からするとこの作品も
「オズの魔法使い」のオマージュ
行って帰ってくるだけ

虹の向こうに憧れて行って
家がいちばんいいと帰ってきた
ドロシーと
両親の同意を必要としない場所で
中絶手術をするために行って
大きな決断と行動をして帰ってきた
この作品の主人公は
同じ思いなのかどうなのか?

最近も中絶に対する判決に係るニュースが話題になりました
時に社会が認める権利の有無なんて
真の当事者個人には何の役にも立たないようです
個人の選択に対する寛容さとやさしさ
はあるのかと自身に問うてみたりします
少なくともこの作品はとてもやさしい作品で
そのやさしさが分からない
当事者意識を持った他人に限って
社会の決まり事としての権利を訴えるのかもしれない
と思ったりもします。。

『17歳の瞳に映る世界』(101分/アメリカ/2020年)
監督:エリザ・ヒットマン
出演:シドニー・フラニガン、タリア・ライダー 他

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